【成功した投資家の戦略】ボリンジャーバンドは逆張りエントリーポイントを探すためのものではない

投資クラゲとは?どんなトレードをしているの?

こんにちは。「再現性のあるトレード方法」を習得した投資クラゲです。
現在は、資産を2倍の2倍、つまり合計4倍を達成しています。
主な投資対象は、ドル円、ユーロドル、ポンドドルの3つ。
トレードスタイルは、
◆スイングトレード(2日~20日間保有)
◆トレンドフォロー(21日~90日間保有)
下の画像のようなトレードをしています。

  • ボリンジャーバンドで買われすぎ・売られすぎが分かる
  • ボリンジャーバンド2σタッチで逆張りエントリー
  • ボリンジャーバンドを使えばスキャルピングができる

そう考えてる方は、残念ながらボリンジャーバンドの本質を理解していません。

なぜなら、ボリンジャーバンドを開発したジョン・A・ボリンジャーは、上記のような使い方をしていないからです。

日本の投資界でよくありがちなのは、手法が独り歩きしてしまうこと。

理論やインジケーターを開発した人の意図を汲み取らずに自己流でトレードしてしまうことです。

自己流でトレードを繰り返しては、資金が増えていきません。

  • ボリンジャーバンドは誰が作ったのか?
  • ボリンジャーバンドを作った人はどんなチャートを見ていたのか?

もし、この質問に答えられるのなら、この記事を読む必要はありません。

逆にもし答えられないのであれば、ボリンジャーバンドについて深く知るためのチャンスです。

理論やインジケーターを開発した人の意図を汲み取って、よりよい投資判断ができるようにしていきましょう。

今回はボリンジャーバンドについて深掘りしていきます。

トレーディング・バンドの歴史

ボリンジャーバンドは、ある日突然、何もないところからポンッと生み出されたわけではありません。

ボリンジャーバンドに似たようなトレーディングバンドを開発していた人がたくさんいました。

それらの特徴を生かしながら、ジョン・A・ボリンジャーが1983年に開発したのがボリンジャーバンドです。

ボリンジャーバンドが開発されるまでに、トレーディングバンドはあらゆる進化を遂げていきます。

開発した人開発したもの見ていたチャート
1960年ウィルフリッド・ルドゥートウィンライン・チャート月足
1960年チェスター・W・ケルトナーケルトナーのセリングラインとバイングライン日足
10日移動平均
1960年代リチャード・ドンチャンドンチャンのチャネル日足
4週ルール
1966年ジェラルディン・ワイスバリュエーション・エンベロープ月足
1970年J・M・ハースト不変幅の曲線チャネル
(手書きのエンベロープ)
週足
1980年代初期ウィリアム・シュミットパーセンテージを用いたバンド日足
21日移動平均線
1980年代初期マーク・チェイキン
ボブ・ブローガン
ボマー・バンド日足
21日移動平均線
1970年代後期~
1980年代初期
ジム・イェーツオプション・ストラテジイ・スペクトラム週足か月足
1983年ジョン・A・ボリンジャーボリンジャーバンド日足
20日移動平均線

ボリンジャーバンドが開発されるまでに、数多くのトレーディングバンドが開発されてきました。

問題とされていたのはバンドの幅です。

このバンドの幅をどのように設定するのが最適なのか?それを見つけるのがとっても難しかったということです。

  • 高値と安値の差
  • 移動平均線を上下にずらす
  • 手書きで書く
  • パーセンテージを用いる

ジョン・A・ボリンジャーはテクニカルトレーダーで、特にトレーディングバンドが大好きでした。

ある日、ふと「バンド幅を正しく決める方法はボラティリティではないか?」とひらめいたのです。

今までのトレーディングバンドの点と点がつながり、ボラティリティを求めるために「標準偏差」を使うことを思いついたのです。

これがボリンジャーバンドの生まれたきっかけです。

ボリンジャーバンドは試行錯誤して生まれた

トレーディング・バンドの幅を決める要因は「ボラティリティ」であることは特定できましたが、それを具体に落とし込む段階で7つの選択肢がありました。

(その7つの選択肢は残念ながら「ボリンジャーバンド入門」の著作では明らかにされてません。)

その7つの方法を吟味した結果、標準偏差(σ=シグマ)が最適解であることが分かりました。

そこで、ボリンジャーバンドの初期設定を次のように決めました。

初期設定は20日間の期間と±2標準偏差

標準偏差のパラメータは何倍がいいのか、ある程度の見当はついていました。

ジョン・A・ボリンジャーは、初め次のように考えていました。

期間乗数
101.5
202.0
502.5

ただ、ジョン・Aボリンジャーはこの数値に納得していませんでした。

そこで、あらゆるマーケットを調べることで、標準偏差の設定値を検討することにしたのです。

テストを行ったのは次の6つのマーケット。

  • IBM株価(10年間)
  • S&P500指数(10年間)
  • 日経225指数(10年間)
  • 金塊取引(10年間)
  • マルク/ドル(8年間)
  • ナスダック総合指数(10年間)

実に、合計58年分のデータを検証しているということになります。

圧倒的検証量です。

この6つのマーケットに対して20日間の平均である89%のデータが収まるように10日間と50日間の推奨バンド幅を導き出しました。

ジョン・A・ボリンジャーが推奨する標準偏差のパラメータは次の通りです。

期間乗数
101.9
202.0
502.1

ジョン・A・ボリンジャーはボリンジャーバンドの構造を理解してもらうために次の5点を要点として挙げています。

  • ベースとしては単純移動平均を使う
  • 幅を定めるには標準偏差を使う
  • 初期設定は20日間と標準偏差の2倍
  • 平均値を求める期間の長さに応じて、変数を使ってバンド幅を変更する
  • 物事を複雑にしない

ジョン・A・ボリンジャーは、ボリンジャーバンドを使う基本として「初期設定は20日間の単純移動平均線」としていました。

つまり日足20MAが重要視されていたということです。

ボリンジャーバンドは逆張りのエントリーポイントを見つけるためのものではない

ボリンジャーバンドは、誤解する人が多い指標です。

  • ボリンジャーバンドで買われすぎ・売られすぎが分かる
  • ボリンジャーバンド2σタッチで逆張りエントリー

このように説明している方が非常に多いです。

まったくもって違います。

ジョン・A・ボリンジャーは次のように言っています。

  • 平均値への回帰はそれほど強くはない
  • バンド上にタグ(接合点)が現れても、それが自動的に平均値を目標にした売りまたは買いの根拠を意味するわけではない。

このように言っています。

つまり、ボリンジャーバンドは逆張りポイントを見つける道具ではないということです。

「89%はバンド内に戻ってくるんだよね?」「バンドの外側(つまり2シグマや3シグマ)にタッチしたら逆張りエントリーだよね?」

そう考えているとしたら、本質からずれた考え方になっている可能性があります。

では一体、ジョン・A・ボリンジャーはどんなチャートを見ていたんでしょうか?

ジョン・A・ボリンジャーはどんなチャートを見ていたのか?

そもそもボリンジャーバンドを開発したジョン・A・ボリンジャーはどんなチャートを見ていたのでしょうか?

その答えはジョン・A・ボリンジャーの著書「ボリンジャーバンド入門」の中にあります。

この本では、チャートが95枚出てきます。

内訳は次の通りです。

  • 日足…88枚
  • 週足…3枚
  • 月足…2枚
  • 10分足…2枚

ボリンジャーバンドの構造を説明している第7章では、6枚中6枚が日足です。

つまり、ジョン・A・ボリンジャーは日足をよく見ていたということが分かります。

トレーディングバンドを研究していた他のトレーダーたちはどんなチャートを見ていたのでしょうか?

もう一度先ほどの表を見てみましょう。

右側に見ていたチャートが書いてあります。(著書「ボリンジャーバンド入門」を参考にしています。)

開発した人開発したもの見ていたチャート
1960年ウィルフリッド・ルドゥートウィンライン・チャート月足
1960年チェスター・W・ケルトナーケルトナーのセリングラインとバイングライン日足
10日移動平均
1960年代リチャード・ドンチャンドンチャンのチャネル日足
4週ルール
1966年ジェラルディン・ワイスバリュエーション・エンベロープ月足
1970年J・M・ハースト不変幅の曲線チャネル
(手書きのエンベロープ)
週足
1980年代初期ウィリアム・シュミットパーセンテージを用いたバンド日足
21日移動平均線
1980年代初期マーク・チェイキン
ボブ・ブローガン
ボマー・バンド日足
21日移動平均線
1970年代後期~
1980年代初期
ジム・イェーツオプション・ストラテジイ・スペクトラム週足か月足
1983年ジョン・A・ボリンジャーボリンジャーバンド日足
20日移動平均線

集計すると次のようになります。

  • 日足…5人
  • 週足…2人
  • 月足…2人

トレーディングバンドを研究しているトレーダーも、やはり日足以上の長い時間足を見ていました。

特に「日足」が人気だったことが分かります。

優位性は「日足」から見つけらるということです。

まとめ ボリンジャーバンドは日足20MAをトレンドフォローするために使う

ジョン・A・ボリンジャーは、ボリンジャーバンドの構造を説明するときに5つの記憶すべき要点を挙げています。

  • ベースとしては単純移動平均を使う
  • 幅を定めるには標準偏差を使う
  • 初期設定は20日間と標準偏差の2倍
  • 平均値を求める期間の長さに応じて、変数を使ってバンド幅を変更する
  • 物事を複雑にしない

ジョン・A・ボリンジャーが推奨する標準偏差のパラメータは次の通りです。

期間乗数
101.9
202.0
502.1

そして、平均値への回帰性について次のように言っています。

  • 平均値への回帰はそれほど強くはない
  • バンド上にタグ(接合点)が現れても、それが自動的に平均値を目標にした売りまたは買いの根拠を意味するわけではない。

つまり2シグマ、3シグマにタッチして逆張りする方法を推奨していなかったということです。

日足10MAや日足20MA、日足50MAを見てトレンドフォローするのがボリンジャーバンドの正しい使い方です。

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