【テクニカル分析】個人のトレードスタイルに合わせて相場が動いてくれるわけねーぞ!!という話

投資クラゲとは?どんなトレードをしているの?

こんにちは。「再現性のあるトレード方法」を習得した投資クラゲです。
現在は、資産を2倍の2倍、つまり合計4倍を達成しています。
主な投資対象は、ドル円、ユーロドル、ポンドドルの3つ。
トレードスタイルは、
◆スイングトレード(2日~20日間保有)
◆トレンドフォロー(21日~90日間保有)
下の画像のようなトレードをしています。

  1. …いや、まてまて、と。自分のトレードスタイルに合わせて相場が動いてくれるわけねーぞ!!
  2. いろんなトレードスタイルの人を陸上競技に当てはめてみる
    1. ウサイン・ボルト選手と高橋尚子選手が同じコースを走っていると考えてみる
    2. 相場のルールが分かっていない人がいきなりトレードをすることは、陸上部に入部した次の日に大会に出るくらい無謀なこと
  3. 相場の世界は、自分が走る側ではなく走らせる側だということ
  4. まずはじめに「相場を知る」という段階が必要
  5. 「相場を知る」ための6つの段階
    1. 価格は誰が作っているのか?
    2. 売買判断の根拠は何か?つまり何を見て売買判断をしている人が多いか?
      1. テクニカル分析をしている人が一番よく見ているのは?
      2. ファンダメンタルズ分析をしている人が一番よく見ているのは?
    3. ダウ理論を使いこなせるようになるにはどうすればいいの?
      1. ダウ理論はどんな相場にも当てはまるのか?
      2. ダウ理論はどんな時間足にも当てはまるのか?
    4. 「トレンド」ってどういうこと?
      1. トレンドの定義は?
      2. トレンドの具体的なイメージをもつ
    5. エリオット波動理論って何?そんなことよりも聞いてほしい話がある。
      1. ラルフ・ネルソン・エリオットから学ぶべきこと
    6. 値動きの本質はどこを見れば分かるの?

…いや、まてまて、と。自分のトレードスタイルに合わせて相場が動いてくれるわけねーぞ!!

初心者を対象にしてこんな投げかけをよく見かけます。

「初心者はまず、自分の生活に合わせてトレードスタイルを見つけましょう!」

  • スキャルピング
  • デイトレード
  • スイングトレード
  • 中長期トレード ポジショントレード

この中から、自分の生活に合ったものを見つけましょう!!

こういう解説多くないですか?

それについて言いたいことがあるんですよ。

…いや。まてまて、と。

自分の生活スタイルに合わせて、相場が動いてくれるわけねーぞ、と。

相場をなめてんじゃねーぞ、と。

甘く見てんじゃねーぞ、と。

為替市場は、世界一大きなマーケットですよ。

個人の都合に合わせて動いてくれるわけないじゃないですか。

し・か・も!!

スキャルピングとかデイトレードとか、都合よくその瞬間に上がります!下がります!1日でトレンド終わります!ってそんなことあるわけないじゃないですか。

金・銀・原油・ビットコインなどの先物。ドル円、ユーロドル、ポンドドルなどの為替。全世界中のトレーダーが売り買いしているんですよ。

どう考えても日本人の生活リズムに合わせてくれるわけないじゃないですか。

一個人の生活スタイル!?そんなの一切関係ないですよ。

「自分の生活に合わせたトレードスタイルを見つけましょう!」っていうのは順番が逆なんですよ。

  • 自分がやりたいトレードスタイルを選ぶ
  • 相場の環境認識する
  • トレードする

少なくとも、この順番じゃないんですよ。

もちろん次の場合もダメです。

  • チャートを開いた瞬間にトレードする
  • あとで環境を確かめる

これ、最悪ですね。

ポジポジ病の典型例です。

次の場合はどうでしょうか。

  • 相場の環境認識をする
  • 相場に合わせてトレードスタイルを決める
  • トレードする

これならまだいいですよ。

ただ、あと一歩足りないです。

まずはじめに「相場を知る」という段階が必要です。

相場の環境認識のさらに前の段階のことです。

投資で勝ちたいなら、大衆とは逆の発想をした方がいいと思います。つまり、次の順番がめちゃくちゃおすすめです。

  • 相場を知る(つまりトレンドってどういうものか知る)
  • 相場について知った上で相場の環境認識をする
  • トレードをする
  • 結果としてスキャルピングになったりデイトレードになったりスイングトレードになったりする いつまでポジションをもつかは値動きで判断する

つまり簡単に言うと、出発点として自分に合わせましょうっていう発想をすべて捨てるということです。

主役は「自分」じゃないんですよ。

主役は「相場」なんですよ。

つまり「ミスターマーケット」が主役です。

※ここでは気まぐれで情緒不安定な相場のことを「ミスターマーケット」と呼ぶことにします。ベンジャミン・グレアムさんが書いた「賢明なる投資家」の中で出てくる言葉です。

いろんなトレードスタイルの人を陸上競技に当てはめてみる

ウサイン・ボルト選手と高橋尚子選手が同じコースを走っていると考えてみる

相場には、いろんなトレードスタイルの人がいます。

陸上競技の種目で考えてみましょう。

陸上競技場の1つの同じコースの中に、短距離走(100m)で走っている人、中距離走(1500m)で走っている人、フルマラソン(42.195km)で走っている人が混ざっています。

つまり、同じコースの中をウサイン・ボルト選手と、高橋尚子選手が走っているということなんですよ。

なんという夢の競演なんでしょうか。

そんないろんな選手がいるコースで走るというイメージです。

相場のルールが分かっていない人がいきなりトレードをすることは、陸上部に入部した次の日に大会に出るくらい無謀なこと

まずはじめに「相場を知る」という段階が必要です、という話をしたんですけれども、相場のルールが分かっていない人がいきなりトレードをするということは、陸上部に入って次の日に大会に出るくらい無謀なことです。

陸上初心者が次の日に大会に出たとして、レースで勝てるとは到底思えませんよね。

しかし、投資の分野においては、なぜか「勝てる!」と判断しちゃう人が多いんですよ。そういう人たちがいわゆるカモになってしまうということです。

陸上部に入ったら、まず練習しますよね。スタートからゴールまでどれくらい距離があるのか知らなければ話になりません。

筋トレ。走り込み。基礎練。本番を意識した練習。イメージトレーニング…。

そして、3ヵ月後や半年後、1年後にようやく大会に出れるかどうかといったところです。

相場の世界も一緒です。

  1. まず、相場について知る。
  2. 次に、どこにスタートとゴールを設定したら勝てるのか仮説を立てる。
  3. 仮説を立てたら過去相場で検証する。(本当にそのやり方で利益が出るのか確かめる。)
  4. そして、3ヵ月後、半年後、1年後にようやくまともなトレードができる。
  5. 結果として資金が増える。

この順番なんですよ。

「まずお金を増やしたい!!」「すぐに結果を出したい!!」から始めると失敗してしまうのは、「陸上部に入部した次の日に大会に出る!」ということと同じです。

順番が違うんですってば!!

まずは「相場について知る」ということが大前提になってくるわけです。

相場の世界は、自分が走る側ではなく走らせる側だということ

陸上競技は、「ようい、スタート!!」でスタートからゴールまで走り抜けます。主役は自分です。あくまでも自分が頑張って足を動かしてゴールまで行かなければいけません。

しかし、相場は逆です。

どちらかというと走る側ではなくて、走らせる側です。

主役は「自分」ではなく「相場」。つまり「ミスターマーケット」が走る側で、投資する人たちは、走らせる側だということです。

このことに気づくと、何を頑張ればいいのか分かるようになってきます。

つまり、頑張るのはウサイン・ボルト選手のように速く走ることではなく、高橋尚子選手のように持久力をつけることでもなく、スタートとゴールを決めることだということです。

相場を研究すれば分かりますが、ミスターマーケットは常に走り続けています。

上昇トレンドになることもあるし、下降トレンドになることもあるし、レンジになることもあります。

しかし、休むことはほとんどありません。

あまり値動きがないときもありますが、常にどちらかの方向に動いています。

上昇するか、下降するかはミスターマーケットに任せましょう。

どれだけチャートを頑張ってみたとしても、一個人が資金を投入したとしても、それが影響して値段が上がり下がりすることはありません。(ジョージ・ソロスさんのように資金がめちゃくちゃ大きい方は別ですが。)

極論、何も見ていなくても、ミスターマーケットは走り続けます。

しかし、厄介なことにこの「ミスターマーケット」は非常に気分野で情緒不安定。どちらに走ってくれるか分からないという特性を持っています。

そんな気分野さんの「ミスターマーケット」が走るコースのスタートとゴールを決めるのが、投資家の仕事であり永遠の課題です。

  • 相場が上にいくか、下にいくかはミスターマーケットに任せる。
  • エントリーしたあとは、チャートを見ても見なくても、結果は変わらない。
  • 気分野で能天気、情緒不安定なミスターマーケットと友達になる。
  • 投資家はチャートを凝視しても意味はない。目力でどうにかなる問題ではない。
  • エントリーと利益確定、損切りの位置に命をかける。

つまり、投資は「走ることを頑張る」のではなくて、「スタート位置とゴール位置にこだわるのを頑張る」ということです。

まずはじめに「相場を知る」という段階が必要

「相場を知る」って、じゃあ具体的にどういうことなの?と思う方もいるかもしれません。

「相場を知る」方法は、無数に存在します。

つまり、正解がいっぱいあるんですよ。

一見ランダムだと思われる相場の中から、優位性のある方法を見つけなきゃいけないわけです。

ただ、簡単に見つかるわけじゃないです。

もちろん、僕はその方法のたった1つを知っているにすぎず、他のやり方の方がもっと簡単かもしれないし、資金効率がいいかもしれません。

これからの相場にマッチするかどうかも分かりません。

ただ、過去検証することによって、これから成功する可能性があるかどうかをある程度見極めることができます。

「相場を知る」方法の1つとして、次のような質問を用意してみました。

  • 価格は誰が作っているのか?
  • 売買判断の根拠は何か?つまり何を見て売買判断をしている人が多いか?
  • ダウ理論を使いこなせるようになるにはどうすればいいの?
  • 「トレンド」ってどういうこと?トレンドは1年で何回くらいあるの?トレンドの大きさは?戻しはどれくらい?戻しをつけるまでにどれくらいの時間がかかるの?トレンドが継続する期間はどれくらい?
  • エリオット波動理論って何?
  • 値動きの本質はどこを見れば分かるの?

これらの質問に答えることができれば、相場を知ったうえで環境認識をしてトレードをすることが可能になります。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

「相場を知る」ための6つの段階

「相場を知る」と大胆なことを書きましたが、まず前提として世界中の投資家が何を考えているのか、そのすべて把握することは不可能です。

売買判断をするときにどんな根拠で、どんな気持ちで、どんなことを考えているのかは知る術がありません。

世界中の投資家にアンケートをとるわけにもいきません。

現状のチャートから、これからの注文状況を目で見て確認することもできません。

だから、自分の頭で考えて、分かるところから考えを組み立てていく作業が必要になってきます。

今から僕がお話することは、すべて疑ってもらっていいです。

むしろ、そのまま受け取られるよりも「本当にそうなってるの?」「この部分は納得できるけど、この部分は違うんじゃないか!」そんな目で見てもらった方がいいかもしれません。

ここに書いてある文章が合っているかどうかということよりも、この文章を読んでいる方が、それが本当であるかどうかを自分で見極められるようになることの方がはるかに重要だと考えています。

だから、これから書くことを批判的な目で見てください。

そして、実際の相場(過去相場・現在の相場)で検証してみてください。

それでは、1つずつ見ていきましょう!!

価格は誰が作っているのか?

価格は誰が作っているのでしょうか?

それは「買う人」と「売る人」が作っています。

世界中の投資家たちが投資判断をした結果、価格が動いているということです。

需要と供給という言葉で説明されることもあります。

「売る人」より「買う人」が多ければ価格は上昇し、「買う人」より「売る人」の方が多ければ価格は下落します。

つまり、人の「買いたいという気持ち」と「売りたいという気持ち」が相場を作っていると考えられます。

相場は常に動いていて、その一瞬一瞬のタイミングで買ったり売ったりしている人がいます。

売買判断の根拠は何か?つまり何を見て売買判断をしている人が多いか?

多くの人は「ろうそく足」もしくは「バーチャート」を使って売買判断をしています。

(※補足ですが「ろうそく足」と「バーチャート」は同じ機能です。両方とも価格の始値、終値、高値、安値の4つが分かります。日本人は「ろうそく足」を使う方が多いですが、海外では「バーチャート」を使っている方もたくさんいます。)

インジケーターは見ている人が少なくなればなるほど、優位性が下がると考えられます。

つまり、すこし大げさな言い方をすれば人気のないインジケーターは優位性が低いです。(イチローのバットのようにめちゃくちゃこだわりをもって使い倒されているインジケーターは優位性が高い可能性もあります。よく分からずに、ただ表示させているインジケーターは優位性が低いということです。)

移動平均線を表示させるときに誰も使っていない数値を入れても意味がないですよね。

極論を言えば、ろうそく足以外のインジケーターは、ろうそく足に比べて優位性が低いです。

なぜなら、一番よく見られているインジケーターはろうそく足そのものだからです。

世の中の多くのトレーダーは、テクニカル分析、またはファンダメンタルズ分析、もしくはその両方を使って売買判断をしています。

テクニカル分析をしている人が一番よく見ているのは?

テクニカル分析をしている人は、チャートとインジケーターを表示させていることが多いですが、ろうそく足が作り出すチャートは99%以上の方が見ていると考えられます。

テクニカル分析をしている人は、チャートにどのような画面を表示させているでしょうか。

例えば、次の5人の投資家がいたとします。(あくまでも僕が勝手に考えた5人の投資家像です。)

  • ろうそく足チャートに移動平均線20MA 75MA 200MA
  • ろうそく足チャートに移動平均線20SMA 20EMA
  • ろうそく足チャートに移動平均線21SMA 84SMA ボリンジャーバンド
  • ろうそく足チャートに移動平均線20SMA 50SMA 100SMA MACD RSI
  • ろうそく足チャートのみ

このとき、見ているインジケーターで一番多いのは「移動平均線」ではなく「ろうそく足」だということが分かります。

もう少し人数を増やして、いろんなパターンを考えても面白いかもしれません。

次のようなことを考えながら投資家像を10人20人…と考えていくと、世の中のトレーダーが何を見て売買判断をしている人が多いか、ある程度予想することが可能です。

  • 世界中のトレーダーがどんなインジケーターを表示させているか想像しながら1人ずつ像を上げていこう
  • きっと、インジケーターを手掛かりにしている人は多いはずだ
  • インジケーターの中でも特に、移動平均線、MACD、ボリンジャーバンド、RSI、ストキャスティクス、ウイリアムズ%R、一目均衡表を表示させている人が多いのではないか
  • 移動平均線は設定数値にこだわりがある人もいるはずだ。20 75 200にしている人もいるし、20 50 100にしている人もいる。20SMAと20EMAを両方表示させている人もいる。ということはつまり、移動平均線は3本表示させている人もいるし、2本表示させているひともいるな。そういえば、ジョンJ・マーフィーさんの「先物市場のテクニカル分析」では移動平均線についてかなり深く分析してたぞ。それによると…
  • あ、もしかして、見る通貨ペアにも違いがあるぞ。ドル円だけを見ている人もいるし、ドルストレートやクロス円まで幅を広げている人もいる。中にはスイングトレードを主として20通貨ペア以上みている人もいるはずだ。
  • 見る時間足にも違いがあるはずだ。1分足、5分足、15分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足…きっとこの中のどれかを表示させている人が多いわけだけど、この中で一番見られている時間足は何だろう?正確なことは分からないけど、一番見られている時間足を考えることには意味がありそうだ。そういえば、チャールズ・ダウはトレンドを3種類に分けたんだっけな。それによると「主要トレンド」「二次トレンド」「小トレンド」が見えやすいのは…
  • トレードスタイルはどれが一番多いんだろう。ダウ理論の「主要トレンド」「二次トレンド」「小トレンド」を取りに行く人は、中長期のスイングか、スイングトレードだな。きっとその人達は4時間足や日足以上を分析している可能性が高いはず。「小トレンド」よりも小さいトレンドを取りに行くデイトレードや「小トレンド」の値動きの一部分を取りに行くスキャルピングをしている人もたくさんいるはずだ。そういう人はきっと…

こんなことを自問自答しながら世の中のトレーダーはどんなトレードスタイルでどんなチャート画面を表示させてトレードしているかを考えていくと面白いです。

「全く分からない状態」よりも、「分かることを少しずつつなぎ合わせていって多分こうなるんじゃないかといういくつかの答えをもっている状態」の方がトレードしやすくなります。

あくまでもこれは僕の考えですが、人数を多くしていったとしても、ろうそく足チャートを見ている人が一番多いという結論になるはずです。

そして、見ている時間足はきっと4時間足と日足が一番多いのではないかと考えています。

根拠は、4時間足と日足ならダウ理論の「二次トレンド」と「小トレンド」がはっきりと見える(意識できる)からです。

ファンダメンタルズ分析をしている人が一番よく見ているのは?

また、ファンダメンタルズ分析が得意という方も、売買判断をするためにチャートは見ているはずです。

相対的に見て今が安いか高いかは判断している可能性が高いです。

つまりファンダメンタルズ分析に重きを置いている人も、ろうそく足チャートは99%以上の人が見ていると考えられます。

大きな経済指標や要人発言で価格が大きく上下することもありますが、その多くは現状のダウ理論で言うところの「二次トレンド」や「小トレンド」に引っ張られます。

これらのことから、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を使っている多くの人は「ろうそく足」を見ていると考えられます。

つまり、売買判断をしている「ろうそく足」そのものを分析対象とする方法が一番相場を深く知ることができるという結論になります。

売買判断の根拠は、ずばり「ろうそく足そのもの」です。

ダウ理論を使いこなせるようになるにはどうすればいいの?

ダウ理論は、チャールズ・ダウが作った理論です。

ダウ理論が、どんな相場にも当てはまるかどうか、どんな時間足でも当てはまるかどうかは自分の頭で考えた方がいいです。

なぜなら本当に腑に落ちていないことは、現状の相場で使うことができないからです。

以下、僕の考えです。

ダウ理論はどんな相場にも当てはまるのか?

まずどんな相場にも当てはまるかという話ですが、チャールズ・ダウが見ていたのは株式です。

先物市場のテクニカル分析で20年以上の実績があるジョンJ・マーフィーさんは「ダウ理論は先物市場や為替市場にも当てはまる」と考察しました。

つまり、ジョンJ・マーフィーさんの考えが正しいとすると、金や銀、原油などの先物市場から、ドル円、ユーロドル、ポンドドルなどの為替市場までダウ理論が当てはまります。

実際に先物市場のチャート、為替市場のチャートで当てはまるかどうかは過去検証する価値があります。

ダウ理論はどんな時間足にも当てはまるのか?

また、チャールズ・ダウはトレンドを3種類に分類しています。

  • 主要トレンド…1年~数年
  • 二次トレンド…3週間~3ヵ月
  • 小トレンド…3週間未満

このうち、チャールズ・ダウが興味をもっていたのは主要トレンドです。

ということはつまり、チャールズ・ダウは株式の長期トレンドフォロアーだったということが分かります。

ダウさんにとって二次トレンド、小トレンドは単なる押し目にしか過ぎなかったのです。

ここで質問ですが「二次トレンド」や「小トレンド」が1年でどれくらいあるか知っていますか?

例えば、2022年のドル円相場では何回あったでしょうか?

それに答えることができれば、ダウ理論のトレンドが判断できていると考えていいかと思います。

僕の感覚では「二次トレンド」「小トレンド」のトレンドフォローをするなら4時間足、日足が見やすいと思います。

チャールズ・ダウは長期トレンドフォロアーでした。たぶん、ダウ理論に気づいたときも、株式の日足のチャートを見ていたのではないかと推察します。逆に考えれば日足未満のチャートは見ていなかった可能性があります。(これは僕の考えです。時代的にも日足未満があったかどうか怪しいところです。)

エリオット波動理論を作ったラルフ・ネルソン・エリオットも見ていた足はかなり長い足です。月足・週足・日足・30分足を見ていました。15分足以下の時間足は見ていませんでした。

つまり短い時間足で考えるときに、ダウ理論やエリオット波動理論を当てはめて考えることができるのか?という問題が生じてきます。

チャールズ・ダウは、もともと日足未満の時間足は見ていなかった、エリオットは30分未満の足は見ていなかった、つまりどちらも適用できるのかどうか分からないということです。

もし、15分足以下でダウ理論やエリオット波動理論を使いたければ、チャールズ・ダウやラルフ・ネルソン・エリオットがなしえなかったそれ相応の過去検証をする必要があります。

逆に考えれば、15分以下で通用する理論を考え出すことができれば、それは「新ダウ理論」「新エリオット波動理論」として世の中の投資家に衝撃を与えるかもしれません。

そう考えるとワクワクしますね!!

「トレンド」ってどういうこと?

トレンドって何でしょうか?

トレンドを理解するためには、次の質問に答えられるかどうか、自分なりの回答やイメージを持っているかが重要だと考えています。

  • トレンドの定義は?
  • ダウ理論で定義されているトレンドは1年に何回くらいあるの?
  • トレンドの大きさはどれくらい?何pipsくらい?
  • トレンドの戻しをつける日数は何日くらい?
  • トレンドの戻しの割合は何%くらい?
  • トレンドは何日くらい継続するの?

これらの質問に自分なりの回答があれば、「トレンドを知っている」といってもいいかと思います。

また、それに近い形でイメージできるのであれば、現状の相場で対応していくことは可能だと思います。

ただ、何を聞かれているのかよく分からない、トレンドのイメージがつかめていないという方は、トレンドを知るための1つのきっかけにできるかもしれません。

トレンドの定義は?

トレンドの定義については、有名な著書で答えてくれている方がいるので、それを紹介します。

ジョンJ・マーフィーさんの「先物市場のテクニカル分析」によると次のように定義されています。

一般的には、トレンドとは単にマーケットの動く方向を意味する。

上昇トレンドは、より高くなってゆく山と谷の連続的な波と定義され、下降トレンドはその反対、つまりより低くなってゆく山と谷の連続的な波と定義される。

水平な山と谷の波は、横ばいトレンドを表す。(レンジ・トレンドレス)

ジョンJ・マーフィーさんの「先物市場のテクニカル分析」

こんなイメージでいいかと思います。

トレンドの具体的なイメージをもつ

世の中の人が、あれだけダウ理論ダウ理論と言っておきながら実は「主要トレンド」「二次トレンド」「小トレンド」を見ている人はごく一握りのしかいません。

きっとトレンドをしっかりと把握できないのには理由があります。

  • 現状の値動きからトレンドを判断するのが難しい
  • 過去検証をするのが地味で退屈な作業である
  • ダウ理論という言葉がふわふわしてつかみどころがない

こういった理由から、ダウ理論で言うところのトレンドを把握していない人がほとんどだと思います。

繰り返しになりますが、チャールズ・ダウはトレンドを3種類に分類しました。

  • 主要トレンド…1年~数年
  • 二次トレンド…3週間~3ヵ月
  • 小トレンド…3週間未満

この3つのくくりで見たときに、実際の相場で当てはめて考えてみるということです。

2022年のドル円相場で当てはめてみると次のようなことが分かります。(←たぶん、この作業をしていない人が圧倒的に多いです。)

  • 「二次トレンド」と「小トレンド」は1年間で9回あった。
  • そのうち「二次トレンド」は4回、「小トレンド」は5回あった。
  • トレンドの大きさ(pips)の平均値 630pips
  • 戻しをつけるまでの日数の平均値…4.93日
  • 戻しの割合の平均値…66.8%
  • トレンド日数の平均値…39.11日
  • 押しの回数の平均値…3.22回

これは2022年の1年間を過去検証したデータです。

僕は、もっと正確なことが知りたかったので検証の幅を3年5年10年と広げていき、気づいたときには10年分のデータがたまっていました。

すると、どの年も多少数値の違いはあるけれども、結果はほとんど同じということが分かりました。

  • 1年間にダウ理論の「二次トレンド」「小トレンド」は9~10回くらい発生する。
  • トレンドを押し目を作るのに2日~10日くらいかかる。2~7日くらいが多い。
  • トレンド日数の平均値は39日くらい。つまり、正しいトレンドフォローが成功した場合は、ポジションをある程度の期間もっていても問題ない。

そんなイメージをもっておくだけで、トレードがめちゃくちゃやりやすくなります。

自信をもってトレンドフォローができるようになります。

だって、トレンドは1年に9~10回は必ず起きると分かっているからです。

これが、「ミスターマーケット」を友達にするということです。

もう少し補足すると、ダウ理論の「二次トレンド」「小トレンド」は、ほとんどの場合その方向に動いていきます。

経済指標をエネルギー源としながらトレンドを作っていくことが多いです。多くの場合、経済指標は「二次トレンド」「小トレンド」の方向に引っ張られます。

だから、経済指標のことはあまり気にせずトレンド方向に張っていくスタイルで資産を増やすことが可能です。

(時には、まったくの方向感がなく、価格がレンジの中央に向かうことがあります。そういう上に行くか下に行くか「二次トレンド」でも「小トレンド」でも判断がつかない場合はエントリーしないほうがいいです。)

エリオット波動理論って何?そんなことよりも聞いてほしい話がある。

エリオット波動理論は使えるようになってもいいし、ぶっちゃけよく分からなくても全然いいです。

「そういう考え方もあるんだ。へー。」くらいでもOKです。

(こんなこと言ったら、エリオットやエリオット波動を心から愛している方に怒られてしまいそうですが…)

むしろ、多少かじったくらいが一番危険で、「相場がエリオット波動のように動く!!」と思っていると痛い目を見ます。

そうなるくらいなら知らない方がいいです。

逆に、エリオット波動理論を深く学びたいという方は、エリオット波動を解説している書籍から学ぶことをおすすめします。

ちなみに、僕はエリオット波動についてはしっかりと勉強していないので、あまりよく知りません。笑

しかし、エリオット波動を知らなくても、相場で勝つことはできます。

そんなことより!!ちょっと聞いてくださいよ。

エリオット波動については、紹介したいエピソードがあります。

ラルフ・ネルソン・エリオットから学ぶべきこと

エリオット波動理論を覚えることよりも、エリオット波動がどのようにしてできたのかを理解する方が100万倍価値があります。

エリオット波動は、ラルフ・ネルソン・エリオットが作りました。

ラルフ・ネルソン・エリオットはチャールズ・ダウをすごく尊敬していて、「ダウ理論」を使って相場を分析していました。

エリオットはすごく勉強家で「ダウ理論をもとにしながらも、ダウ理論を補助できるようなものを作りたい」チャートを分析をしました。

そこでできあがったのがエリオット波動理論です。

つまり、エリオット波動理論は、ダウ理論という基礎の上に成り立っています。

さらに注目すべきなのは、エリオットが行ったチャート分析の量です。

エリオットは、過去検証をたくさんしてチャートパターンを発見しました。

その年数、なんと75年分です。

過去検証75年分ですよ。すごくないですか。

エリオットの底力というか、根気強さというか、執念深さというかそういったものを感じます。

「絶対に相場を攻略してやりたい。」「自分なりの答えを見つけたい。」そんな思いだったのでしょう。そして、エリオット波動理論が出来上がったのです。

僕は、エリオット波動理論の内容自体は勉強しても、勉強しなくてもいいと考えています。

むしろ参考にすべきなのは、エリオットのチャート分析にかけた熱量です。その熱い思いです。

エリオット波動理論のことはよくわかりませんが、エリオットのチャート分析に対する姿勢はめちゃくちゃ尊敬しています。

僕は、ドル円相場を10年分しか検証していないので、「エリオットに追い付くにはあと65年分かぁ~」とそんな気持ちでいます。

値動きの本質はどこを見れば分かるの?

相場のことは相場に聞くしかありません。

つまり、相場のことを知りたかったら、素直に相場から教えてもらいましょう。

相場に教えてもらうということは、過去チャートを見るということです。

値動きの本質は、過去チャートにあります。

エリオットは相場を75年分検証して、相場の本質を見つけました。

ダウ理論を作ったチャールズ・ダウもチャートを何年分、何十年分と検証したに違いありません。

また、インジケーターを作った人は、一人残らずチャートを分析していました。

値動きの本質を見抜きたいなら最低でも3年、できれば10年くらいの過去検証は必要かと思います。

そうすることで、「トレンドってそういうことかぁ~」となります。

この「トレンドってそういうことかぁ~」と腑に落ちた後に、トレンドフォローができるようになります。

「1年も過去検証するのしんどそう…」と思う方がいるかもしれませんが、やり方さえ分かってしまえば、そんなに難しいことではありません。

ダウ理論の「二次トレンド」「小トレンド」であれば1年で9~10回程度です。

それを見つけるだけなら、何か月もかかる作業ではありません。

実際に僕はドル円の10年分を調べるのに3日くらいで終わりました。

すべてのトレンドを手書きで書き写したり、数値をはかってエクセルに入力したりしたので、丸3日間かかったわけですが…。

それでも、たった3日の努力で10年分のトレンドのことが分かるなら、やる価値があると思いませんか?

値動きの本質は掴むのがめちゃくちゃ難しいです。

相場のことを分析している有名なYouTuberが言ったからと言って、必ずそうなるとは限りません。

有名なチャート分析家が書いた相場予想が的外れなことはよくあることです。

Twitterを見れば、「上がる!」という人もいるし、「下がる!」という人もいます。

値動きは予測不可能な動きをしてきます。

そんな気分野さんなミスターマーケットを敵として扱うのではなく、味方にする感覚です。

ペットにして飼うみたいな感じでもいいです。

値動きの本質的なことを知りたい方、自分の基準で相場を見ることができるようになりたい方は、ミスターマーケットの発する声に耳を傾けてみましょう。

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